外国人労働者は、ケガや病気をしたとき、病院で治療を受けるのに一苦労です。
受け入れ時に注意することや、受診するときに便利なサイトをご紹介します。
1.病院を受診するのに困ること
どの病院に行けばよいのかわからない
近隣のクリニックに行こうとしても内科や皮膚科など、扱っているため症状によって病院を自身で選ばなければなりません。そのため病院の種類を知らない外国人労働者にとって、病院にかかることへのハードルは高いといえます。
症状をうまく伝えられない
外国人をよく受け入れている病院以外は、基本的に日本語しか通じないところがほとんどです。外国人患者はジェスチャーを交えて伝えるなどの必要があり、医療関係者は正確な診断を下すのが難しくなります。
2.コロナウイルスで困ること
コロナが広まり、人々の生活は様変わりしました。コロナへの対応は国によって様々で、中国のように「ゼロコロナ」を掲げる国もあれば、日本をはじめとする多くの国が掲げる「with コロナ」もあります。しかし厳密にいうと「with コロナ」といっても、国によりレベルはまちまちです。
初めて日本で暮らす外国人労働者には、日本の「with コロナ」を理解してもらい、生活ができるようにフォローしましょう。
信頼できる情報源
ネット上には情報が溢れていますが、信頼性の高い情報を探すのには困難を極めます。さらにコロナの場合、まだ新しい病気であるために「本当に知りたいこと」が示されていないことがあります。
コロナ支援
日本ではコロナに関する支援が用意されています。資金面の支援、コロナ罹患時の支援など…支援内容、申請方法、そもそも支援をどこから受けるのかなど、情報がまとまっているわけではないため、一つじつ自分で調べていくしかありません。これも日本語表記がほとんどですので、わかりづらさがあるでしょう。
相談場所
コロナ支援とも共通しますが、相談場所がわかりづらい点が挙げられます。一番困るのは、コロナに罹患したときですよね。発熱していると受け入れをしていない病院も多く、「発熱外来」の病院を探すしかありません。
3.病院受診のためにフォローすること
外国人患者を受け入れてくれる病院
外国人患者を受け入れ表明をしている病院は複数あり、受け入れのために院内整備をして準備がされています。
参考:厚生労働省 「外国人患者を受け入れる医療機関の情報を取りまとめたリスト」について
しかしこちらに載っている病院は総合病院など、比較的大きな病院が多いです。
「ちょっと風邪ひいちゃったな」というときに受診できるよう、外国人労働者の住まいや事業所近くのクリニックに問い合わせ、受け入れ可否、持ち物などを事前に確認しておくとよいでしょう。
診療科目の選択方法
症状に合わせて診療科目を調べられるネットページをご紹介します。
参考:日本政府観光局(JNTO) ジャパン・ビジター・ホットライン
観光客向けのホームページになりますが、様々な言語に対応しています。
参考:明和病院 何科で診てもらう?
日本語表記のみにはなりますが、体の部位ごとに症状を調べられ、診療科目を選ぶことができます。
症状を適切に伝える方法
言葉が通じない病院の場合、正しく症状を伝えるのは大変です。イラストなどを使って症状を伝えられるよう、ネットページの情報をご紹介します。
参考:東京都福祉保健局 ―東京を訪れる外国人の方へ― 医療機関受診のための多言語ガイドブック
観光客向けのホームページになりますが、様々な言語に対応しています。
イラストや項目がわかりやすいので、このシートに〇をつけて病院に持っていくと、医師は症状を理解しやすいでしょう。
4.まとめ
外国人労働者に関わらず、観光客に向けて情報発信をしているネットページが多く見受けられました。病院や医療従事者向けに受け入れ情報サイトが開設されるなど、以前より体制強化されている病院が多いようです。
また処方箋を受け取る薬局に関しても、指差しマップを使用するなど、工夫をこらしているところを探して対応してもらうとよいでしょう。
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