外国人労働者にとって、一番の壁は日本語です。また受け入れる側である事業所や日本人スタッフにとっても、言葉が通じないということにストレスを感じる人は多いでしょう。
そこで今回は外国人労働者への日本語サポートについてまとめました。
1.外国人の日本語レベル
外国人労働者には4つの受入れ方法があり、日本語レベルも様々です。
詳しくはこちらをご覧ください。
*外国人労働者とは? https://team-ns.jp/next/seido/
少なくとも日本語能力検定N4以上のレベルであり「基本的な日本語は理解できる」とされています。
2.介護現場で使われる日本語
しかし介護現場で使われる日本語は特殊であると言えます。
まずは専門用語。移乗、嚥下、臥床…介護職員であれば当たり前に知っている言葉でも、外国人にとっては“初めて出会う言葉”です。
また、高齢者とのコミュニケーションで使用する言葉も、外国人は難しいと感じるでしょう。昔から慣れ親しんでいる言葉で、人によっては方言を使って話しかけてくるので、外国人は慣れるまでに時間を要します。
3.外国人の声
実際に介護現場で働く外国人が、どのような場面で日本語の壁にぶつかったのかをまとめました。
「漢字に苦戦しました。今まで見たことのないものだったので戸惑いました。まずは介護現場でよく使われるものから覚えるようにしました。」
「ご利用者から言われた言葉が理解できずに泣いたこともありました。今では言われたことをきちんと理解して対応できるようになりました。」
「来日までにある程度の日本語を勉強していましたが、働いていみると常に飛び交う方言に戸惑いました。職員間もそうですが、ご利用者は今あまり使われていない言葉を話す方がいるので、そこにも苦労しました。」
4.事業所の対応例
外国人労働者を受け入れている事業所は、どのような日本語フォローをしているのでしょうか。工夫されている点をまとめましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
「外国人職員を焦らせないように、ゆっくり話を聞くようにしています。自分が話すときもゆっくり、笑顔を絶やさないようにしています。」
「忙しいとついつい早口になってしまうので、意識するようにしています。外国人に関わらず、焦りながら早口で話してしまうと伝わりづらいですよね。」
「短い文章、単語で区切りながら伝えるようにしています。ジェスチャーを交えると理解してもらいやすいです。」
「情報を資料で伝えるときは、漢字ではなく、ひらがなやカタカナで書くようにしています。」
「うちにきてくれた外国人職員は、初め日本語を上手に話せず、話の内容を理解するのがとても大変そうでした。そのため研修をするときは、簡単な日本語を使うのはもちろん、どのような順番で伝えれば理解してもらえるかを考えながら伝えるようにしました。外国人職員にはよく理解してもらえましたし、私自身の研修スキルを上げられたなと感じました。」
「理解してもらえているか、こまめに伝えたことを繰り返してもらい、理解度を確認するようにしています。」
「業務で使う物の名前を覚えても、それがどこにあるのか、どのように使うのかまで覚えなければなりません。全てを覚えるまでには、関連するたくさんの日本語を覚える必要があります。そのため棚に”しまわれている物”や”使い方”をイラストで貼りわかりやすくしています。」
「外国人職員に日本の漫画を貸してあげたところ、とても喜ばれました。日本語の教科書は単語や文法が学べますが、自然な日本語として習得するまでに時間がかかるようです。一方で漫画のストーリーは面白く、会話の文章が多いので身に着けやすいと話していました。それからは新しく外国人職員が入所したら、積極的に漫画を貸しています。」
5.まとめ
来日するまでに日本語を勉強している外国人労働者ですが、漢字や方言、専門用語に戸惑っているようですね。
それに対して、各事業所は様々な工夫をしていました。特にイラストを交える方法は、多くの事業所が取り入れ、日本語力UPに効果的なようです。また外国人労働者の日本語レベルは様々であるため、対話をしつつどのような対応がベストかを探ることができるといいですね。
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