介護業界の人手不足問題に対して、各企業は様々な介護ロボットを開発しています。
そもそも介護ロボットとは何を指すか。厚生労働省は、下記の通り定義付けています。
・情報を感知(センサー系)
・判断し(知能・制御系)
・動作する(駆動系)
介護職員の体に設置して介助の手助けをしたり、ベッドや床に設置してご利用者が起き上がるとセンサーが感知して介護職員に通知がくるなど。年々数は増え、クオリティが上がってきています。
今回は、その中でも急成長している「見守りシステム」について紹介したいと思います。
1.進化が加速する見守りシステム
進化が著しい見守りシステムをご紹介します。各社で強みにしていることが異なりますので、事業所のニーズに合わせて選べると良いですね。
・日立システムズ 「見守りシステム」
日立システムズでは、見守り環境をワンストップで行っていることが特徴です。
赤外線センターやマットセンサーでは、ご利用者の動きをリアルタイムにキャッチします。また、マイクロ波センサーは、離床や脈拍、呼吸数を計測しています。これらの情報は介護職員が管理する画面に、居室ごとに一括表示されます。忙しい介護職員でもパッと異常を感知できるように、色や図をふんだんに使って視覚的な工夫がなされています。日常の生活記録(バイタル、体動情報など)は時系列で表示されるので、記録を整理しやすそうです。
他にも事業所には欠かせないナースコールやインカム、介護記録など、介護サービスに関わる様々な業務を連携させられるので、一括管理ができて業務効率を上げることができるでしょう。
*日立システムズ
・Panasonic 「LIFELENS」
ベッドに装着させたセンサーで、体動や呼吸、心拍を測定します。さらに暗闇でも映せる高機能カメラもあります。通常、夜間は2~4時間おきに介護職員が訪室を行いますが、このカメラがあることで不要な訪室を避けられ、ご利用者には安眠を提供、介護職員は業務効率UPに。日立同様、各ご利用者の情報を一括管理できるので、異常があった場合はすぐに駆け付けることができます。
さらにPanasonicの場合、システムはクラウド型のため、今後簡単にアップデートできます。そのためより良いサービスが開発されたらシステムを買い替える必要なく、費用や労力をかけずに済みます。
*今後のアップデート情報(研究開発ページ)
*Panasonic
・コニカミノルタ 「HitomeQ ケアサポート」
コニカミノルタは、転倒対策に力を入れているサービスを提供しています。転倒・転落事故が起きてしまった際、行動分析センサーが感知し、事故の前後1分間の動画が自動で録画されます。よって事故の状況を医師や家族と正確に共有でき、今後の対策や治療に活かすことができます。
介護現場で事故を100%防ぐことはできないと思います。もちろん事故が起きないように、事前対策は必要です。しかしそれ以上に事故が起きてしまったとき、次は絶対起こさないようにするにはどうすれば良いか、最適解を出すことが重要ではないでしょうか。
さらにコニカミノルタは、ガバメイツと協働して、システムデータを基に要介護認定の効率化を進めるプロジェクトを始めました。
愛媛県の8つの施設、計600床にシステムを導入し、膨大なデータを取得します。データ内容は、ご利用者の行動分析に加え、介護職員の介入頻度も分析する予定です。
商品を売ったら終わり、ではなく、介護業界全体を良くするにはどうすればいいか、までを考えていて、これからに期待ができますね。
*参考:ガバメイツ、介護業務のデータ連携を実現し、愛媛県が取り組む介護業務デジタル化事業を支援
*コニカミノルタ
2.厚生労働省の介護ロボットへの補助金制度
介護ロボットの導入は、業務負担軽減などメリットが多いものの、費用や事業所内に浸透するまでの時間や労力を考えると、二の足を踏んでしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで厚生労働省では、介護ロボットの開発や導入に対して支援を行っています。基準等、細かく定められているため確認が必要ですが、費用がネックになっている場合はぜひご確認ください。
*厚生労働省 介護ロボットの開発・普及の促進
3.まとめ
各社、自社の強みを活かしながら様々な工夫を凝らして商品やサービスを生み出しています。費用などの課題はあれど、導入後の業務の効率化には期待ができます。一度問い合わせ、サービス内容を確認してみると良いですね。
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