来日後、日本で新生活をスタートさせるには様々な準備が必要です。
今回はその中でも契約に関することを中心にご紹介します。
1.住民登録
住まいが決まったら、14日以内に市区町村へ届けを出しましょう。
◇住民登録に必要なもの
・パスポート
・在留カード
2.印鑑
海外では馴染みがないでしょうが、日本で何かを契約する際に必要です。外国人名の印鑑は流通が少なく、100円ショップや文房具店などで気軽に買うことはできません。しかし印鑑専門店ではカタカナやアルファベットで印鑑を作成することができます。事業所で外国人名の印鑑を作ってくれるお店を探しておいて、案内してあげるとよいでしょう。
3.銀行口座
何か契約をするときに必ず求められる銀行口座。また、給与の支払いを口座振り込みとしている事業所がほとんどのはず。まずは銀行口座開設のサポートをしましょう。
・銀行口座開設の条件
滞在期間が3ヶ月以上で、在留カードが発行されていることが求められます。
・銀行口座開設時の審査
皆さんご存じの通り、銀行口座を開設するには審査があります。審査内容は公にはされていませんが、外国人に厳しい銀行があるのは事実です。そのため事業所から銀行に事前相談しておきましょう。そうすれば今後も外国人労働者を受け入れたとき、同じ銀行を案内することができます。
◇銀行口座を開設するのに必要なもの
・本人確認書類
在留カードをはじめ、パスポートや社員証を必要とする銀行があります。事業所では職員であることを証明できる書類などを作成しておくとよいでしょう。
・住所が確認できる書類
住民票の用意がある場合はよいのですが、無い場合は光熱費の請求書を用意しましょう。
・印鑑
・電話番号
銀行口座がないと携帯電話を契約できないことが多いことから、連絡先電話番号を持っていない外国人労働者もいます。中には、電話番号不要としている銀行があるため問い合わせてみましょう。
4.携帯電話
連絡手段としてはもちろん、契約時に携帯電話番号や、メールアドレスを求められることがあることからも、早めに契約できるようにサポートしましょう。
しかし携帯電話の契約に関しては、様々な注意が必要です。
◆携帯電話契約で困ること
・携帯端末とSIMをセットで販売されてしまう
皆さんは携帯端末を買うとき、キャリアへの契約を同時にしていませんか?家電量販店では「〇〇へ乗り換えれば、端末台が半額!」なんてのぼりをよく見かけます。これはキャリア同士が顧客を取り合い、価格競争が起きているためにこのようなことが起きています。(かく言う私も、先日スマホ画面を割ってしまい端末を買い換えましたが、節約するために乗り換えをしました)
一方海外では、端末とSIMを別々に購入、契約することが多いようです。そのため外国人労働者にとって、日本の販売システムは混乱のもとになります。
・プリペイド式SIMと契約の違い
海外ではプリペイド式SIMが一般的なようです。すなわち、外国人によっては毎月料金を支払う認識が無い場合があります。契約時には注意して伝えるようにしましょう。
また、海外ではプリペイド式SIMを売買することがよくあるようです。契約が基本の日本人からすると「個人情報がたくさん入っているSIMを売買するなんて!」という感覚だと思いますが、外国人にとっては違います。特にSNSでは外国人を狙う犯罪者がたくさんいますので、悪用されないよう、注意を促すことが必要です。
・大手キャリアと格安スマホ
日本では大きく分けると2本の契約先がありますよね。大手キャリアと格安スマホです。
利用料金差が大きいため、携帯電話契約時には事前に説明をするなどフォローが必要でしょう。働き始めは出費がかさみます。なるべく節約できるよう、細かいことではありますが、配慮すべき点だといえます。
5.クレジットカード
現代では流通しているクレジットカード。日本では今でも現金のみのお店がありますが、海外では小さなお店であってもクレジットカードで支払いを求められることがあります。
また、海外ではクレジットカードをデポジットとして登録することを求められることがあります。デポジットとは、「預り金」「保証金」という意味があり、料金未払いを防ぐために求められます。そのためクレジットカードは、日本より海外の方が流通しているという国もあります。
■外国人がクレジットカードをつくるための条件
しかし外国人が日本でクレジットカードを作成するためには条件があります。
・在留カード
・滞在期間が4か月以上(3ヶ月以上としている会社も一部あります)
・日本国内の住所
・日本国内の銀行口座
・携帯電話番号
カード会社によっては、少ない条件で契約可能な場合もありますので、事前に確認して案内するとよいでしょう。
6.まとめ
日本での新生活は、初めて日本に来た外国人労働者にとってはやらなければならないことが多く大変なものです。今回ご紹介した契約に関わる準備は、特に外国人であることで条件が追加されることが多いので、受け入れ前に事前確認することをおすすめします。
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