外国人労働者を受け入れるには?

外国人雇用

外国人労働者を受け入れるには、どのようなことをすればいいのでしょう。採用に至る前から、受け入れるまでにやるべきことをまとめました。また、介護の仕事をしている外国人職員の声もまとめましたのでぜひ参考にしてみて下さい。

1.外国人労働者の受入れ体制づくり

外国人労働者を受け入れるためには、事業所は準備が必要です。もちろん、受け入れてみなければわからないこともあります。しかし事前準備をすることで、外国人労働者、さらに既存の日本人職員の不安や負担を軽減させることができるでしょう。

1-1採用前に行うこと

・事業所の理念や目標などを詳しく伝える

外国人労働者は目的を持って来日していますので、「なぜ日本に来たのか?なぜ介護の仕事をしたいのか?」は、採用前に確認していると思います。一方で、事業所の理念や目標を伝えることは忘れてしまいがちです。「この事業所ではこんな思いを持って運営していますが、この思いに共感できますか?」と確認すると、ミスマッチを防ぐことができるでしょう。

・就業規則や待遇を詳しく伝える

休日や給与など、労働に関することを細かく伝える必要があります。特に外国人労働者は横の繋がりが強く、情報交換がさかんに行われているので、さまざまな事業所の情報を得られるでしょう。そのため書面の交付だけにとどまらず、対話をして外国人労働者の疑問解消を目指すことが必要です。

また、上昇志向の高い外国人労働者にとっては、スキルアップに対するサポート体制や、昇給・昇格制度まで伝えるとモチベーションアップに繋げられます。

・既存職員向けに勉強会を開いて理解を深める

受け入れる外国人労働者の国や文化、また外国人自身のことを共有しましょう。得意なこと、不得意なこと、サポートがあればできそうなことなどにカテゴリー分けして共有するとわかりやすくなります。

また日本の文化をどのように伝えるかも話し合えるといいでしょう。日本人にとっての当たり前は通用しません。日本の文化を楽しく、わかりやすく外国人労働者に伝えることで、すれ違いを減らせるのではないかなと思います。

1-2採用後に行うこと

・ルールを細かく伝える

働くことは国や人によってさまざまな考え方があります。例えば、「就業開始時間を伝えたら、職場に来たのは就業開始後30分後だった」と話している事業所がありました。時間の捉え方は国によって大きく異なります。このように「日本人にとっての当たり前」を取っ払い、少し面倒でも細かくしっかり伝えることが大切です。

2.外国人労働者の声

一方で、介護の仕事をしている外国人労働者は、日本や介護の仕事に対してどのように感じているのでしょう。外国人介護職員の声をまとめました。

「元々看護師になるのが夢でしたが、なれませんでした。仕事の種類として近いと感じた介護の仕事を選びました。介護の技術を身に着けたら、母国の祖父母や両親のためになりますし、頑張りたいと思っています。私は、日本で仕事ができてラッキーだと感じています。皆さんが優しくフォローしてくれるので。入居者の名前は、書いて覚えました。もちろん漢字もです。名前は話をするのに大事なポイントなので、諦めないで覚えられるまで頑張りました。スタッフとのコミュニケーションには苦労しています。特に方言に慣れず、勉強を続けています。意識していることは、わからない言葉をそのままにしないこと。積極的にスタッフに確認をするようにしています。今後の目標は、介護福祉士を取得して、母国の家族と日本で一緒に暮らすことです。」

「先輩になんでも相談して働けています。先輩から介護の考え方や意識についても教えてもらえています。」

「母国で看護師の勉強をしていました。介護の仕事は難しいと思っていたが、やってみたらやりがいがあって毎日を楽しく過ごせています。」

「利用者の介助をしていたら、『優しいね』『本当にありがとう』と言われ、嬉しいと感じました。」

「時間を守る文化がなかったため、それに慣れるのが大変だと感じます。業務開始時間はもちろん、一つひとつの介助時間が決まっているため、のんびりはできません。」

「看護学生時代に患者やその家族の手伝いをしたときに『ありがとう』と言われ、人を助ける仕事がしたいと思いました。介護の仕事も同じように人を助けられるので、やりがいを感じます。介護の仕事をしてみて、タブレットで記録するのですが、日本語のキーボードに慣れるのが大変です。」

「介護の仕事をするようになって収入が安定しました。好きなものを自由に買えるようになり嬉しく感じます。また生活リズムも安定しました。私の夢が母国に介護施設をつくることなので、仕事で覚えることが多くてもめげずに頑張っています。ありがたいことに、今の職場ではなんでも挑戦させてくれるので、学びが多くやりがいを感じます。」

「介護の仕事をしていて難しいなと感じることは、寝たきりで話ができない方がなにをしてほしいかを考えることです。どうしてもわからないときは、先輩に助けを求めます。日本人に対して驚いたことは、毎回丁寧にお辞儀をすることです。日本には経済発展などすごいなと感じることが多いので、これから介護福祉士を取得して日本で働き続けたいなと思います。」

「小さいころからおじいちゃん、おばあちゃんと関わることが好きだったので、介護の仕事がしたいと思っていました。でも母国では介護施設があまりなくて、仕事にしたり、介護技術を学ぶのが難しかったので、日本に行こうと思いました。日本での暮らしは、治安もいいし交通の便がいいので暮らしやすいです。他にも24時間営業しているコンビニがあったり、自販機があったり。母国ではそのようなお店はありませんでした。」

3.まとめ

皆さん初めは戸惑いを感じているものの、一緒に働く職員に助けられ乗り越えているようです。特に言語の壁は高いようです。日常会話はできても、介護の専門用語や、その土地の方言には苦労している様子が見られます。業務時間とは別に、日本語を習得できるようなサポート体制を整えると上達スピードが上がりそうです。

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