鹿子前から海を見ながら、佐世保バーガーを頬ばるトシさんとナカさん。今日はいよいよ外国人との面接の日です。
ついにこの日がきちゃったばい・・・
いよいよ面接せんばとやろ?
いや、「せんばとやろ?」って、急に弱気になっとらん?
へへ、やっぱい緊張するね。どがん人のおるとか・・・ワクワクもあるけど・・・
人材紹介会社に依頼し、登録支援機関の選定も終わったら、次に応募者を集めるステップに入ります。
ただし、応募者を集めるまでの手順は、国内か国外かでも変わりますし、募集を行う国によっても異なります。
例えば、フィリピンで募集を行う場合は、先に受入企業がフィリピン政府へ登録を行ない、その後に募集をスタートしなくてはなりません。
募集を行える状況になったなら、次に求人票を作成し、紹介会社へ送ります。
この時の求人票は、基本的に日本人を雇用する場合と同等以上の労働条件で作成する必要があります。既にハローワークに求人票を出されている場合は、それと同じか、それ以上の条件で募集をかけます。
この日本人と比較して、同等以上かどうかという点は、後の入管手続きの際や、就労後の定期報告・実地検査でも細かくチェックされますので、紹介会社のアドバイスを受けながら慎重に決定しましょう。
また、賃金が高いほど応募者が集まりやすいのは当然ですが、目安として、ベトナムなどでは手取りで12~13万円以上、フィリピンでは14万円以上が最低ラインとなります。
人材紹介会社には、求人の希望として、女性か男性か、年齢的なところ、日本での就労経験があるかどうかなど、ある程度の条件を伝えておくことができます。
また、細かい点ですが、タトゥーのある人、宗教上で食べたり触れたりできないものがある人などへの受け入れ方針も、伝えておいたほうがよい場合があります。
全てが条件通りにはならないかもしれませんが、紹介会社は応募者の中から希望条件に近い人を、スクリーニングして紹介を行ってくれます。
候補者が集まると、履歴書や経歴書、場合によっては自己紹介の動画などがメールで届きます。
大抵は翻訳されたものが届きますので、特に以下の点をチェックしておきます。
明らかに希望条件に合致しない場合は、書類選考の段階で絞るのも一つの方法ですが、外国人の場合は日本人以上に実際に面接を行わないと分からない部分が大きいので、感覚をつかむためにも最初はなるべく様々な候補者と面接を行ってみるのがよいかもしれません。
現在では、海外に住む外国人雇用の面接は、オンラインで行われることがほとんどです。
もちろん、時間と費用に余裕があれば、現地に行って直接会い、向こうの紹介会社の様子も視察するのが、一番確実で安心ができます。
オンライン面接の注意としては、コミュニケーションが取りにくい、人間性が分かりにくいというデメリットがあります。
これは、オンラインでは表情やしぐさが分かりにくかったり、声の調子も伝わりにくいことも一因となっています。
また、面接を受ける外国人のほうも、一般的に想定される質問については、日本語で十分に練習していることが多いですから、模範解答は聞けますが、「実際のところは?」という疑問も浮かぶかもしれません。
面接を実施する企業は、できる限り外国人の意欲や適性が判断できるように、よく考え抜いた質問を事前に用意しておきましょう。
場合によっては、外国人採用のための適性検査(CQI)を受けてもらうことも、人物の見極めに役立ちます。
「自分のアピールポイントは何ですか?」
⇒話しの内容というよりも、話し方から自信や積極性をみるのに役立つ質問です。
「日本のどういうところが好きですか?」
⇒日本という国自体に興味や関心があるのか、それとも単に収入を得たいだけなのかを、ある程度知ることができ、日本で長く働けそうかどうかの判断ポイントになります。
「職場で仕事仲間が激しく言い争いをしている場面に遭遇したら、あなたはどうしますか?」
⇒問題解決力や判断力をみるのに役立つ質問になります。
日本と海外の雇用形態の違いも面接に影響することがあります。
一般的に日本は人に仕事をつけるメンバーシップ型雇用の形をとります。しかし、海外の多くの国では仕事に人をつけるジョブ型で雇用を行なっています。
この雇用形態の違いが、面接で求められる答え方にも影響します。日本では、面接官が応募者の「人柄」を知りたいと思っていますから、応募者は面接時の質問に対して、自分の気持ちや決意などについて答える傾向があります。
逆に海外の面接では「スキル」が重視されるので、応募者は「結果」や「事実」のみを答える傾向があります。
ですから、外国人との面接の際に、「人柄」や「意欲」など内面的なことを知りたいのであれば、質問の仕方に工夫が必要です。
面接で自分の内面を話すことに慣れていない外国人に対して、「人柄」や「意欲」の伝わる話をしてほしいという場合には、STAR面接(行動面接)という手法が有効です。
「STAR」とは、「シチュエーション(状況)」「タスク(課題)」「アクション(行動)」「リザルト(結果)」の4つの頭文字をとった言葉です。
この4つの要素を組み合わせてヒアリングしていくことにより、その人の価値観や思考パターンなどの内面性が分かったり、本音の部分や正確なスキルが把握できることがあります。
STAR手法の基本としては、過去にあった実際の経験や特定の状況について尋ね、そこから考え方や価値観を探っていきます。
そのために下記4つの項目を順に質問していきます。
面接の際には、受入企業からもきちんと伝えておくべきことがあります。
受入企業は外国人を選ぶために面接を行いますが、同時に外国人も受入企業をどこにするか選びます。
それで、労働条件を明確に伝えることはもちろんですが、それだけでなく、自社の経営方針や労働環境、評価の仕組みやキャリアパスなどについても、十分に情報提供することで、他社との違いを明確にできます。
さらに、良い面だけでなく、悪い面もきちんと伝えるなら、信頼度は上がり、好印象につながります。
ん!?
トシさん、なんばしよっと?
いや、服もきちんとしとったほうが、よかかなと思って、一張羅のタキシードを…
やりすぎ・・・